【江戸時代の伝統を復活!】~深川資料館通り商店街の正月壁飾り

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明けましておめでとうございます。
今年は2016年、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開催される年ですね。
そして、その4年後は私たちの住む日本の番だと思うと、ワクワクしてきます。

さて、今年のお正月を彩る江東区の素敵な催しの一つをご紹介します。
それは、清澄白河駅より徒歩5分の「深川資料館通り商店街」にて12/20(日)~1/15(木)の間飾られている「壁飾り」という風習です。商店街の中ほどにある壁の一部が高さ4m×幅20m以上に渡り、今年の干支である猿の絵が描かれた材木で覆われています

壁飾り内の今年の干支(猿)

可愛らしいお猿さんですね。

事情を知らない方々は、「へぇ、そうなんだ・・・。」くらいの感想かもしれません。
しかし、深川資料館通り商店街協同組合の理事長である分部登志弘様に背景を伺った私は、完成した壁飾りを感慨深く眺めて来ました。

壁飾りの全景

壁飾りの全景

この辺り(深川)は木場と近く、江戸時代から材木の貯蔵場所として使われていました。そのため、材木商や材木店を営む人々が多く住んでいました。昔は家を作る建材も材木でしたから、その市場は盛んで材木を結わえる作業(昔は材木を縄で結わえて運びました)を専門とする職人さんもいらっしゃったそうです。

年の暮れ、身近にある新しい材木を利用して、お正月くらいは商店街も美しく見せて新年を華やかに祝おうとの目的で、材木を並べて商店街の壁を覆い干支の絵を描いて彩ったのが「壁飾り」の始まりと言い伝えられています。
当時の深川の人々にとって、「壁飾り」は正月の風物詩としてビッグイベントだったようです。
「壁飾り」の風習は、江戸時代の頃に始まり昭和の初めまで続いたそうです。戦争の激化とともに記録も無いままこの風習は廃れ、久しく時が過ぎていきました。

理事長の分部様が「壁飾り」の風習を復活させようと行動されたのは、4年前のことでした。当時の記憶、当時を知っている人々の話を頼りに情報を集め、新木場の材木問屋の方々、絵師の方々のご協力を得ることができ、昨年復刻第一弾となる未(ひつじ)の絵の壁飾りが出来上がりました。

材木を結わえるだけなら、現在ではビニール紐など安価な材料もありますが、ここは昔の風情を重視し、縄で結わえて固定する方法は変えませんでした。なるほど、縄で結ばれている様子は美しく趣がありますね。

壁飾り(部分)

壁飾り(縄結びの部分)

一方、絵のデザインについては、若い方々にも楽しんでもらえるようポップなテイストに変えたそうです。

そして、今年が復刻第二弾となる申(さる)の壁飾り。
「こんな風にして、途中で途絶えた伝統であっても、良いものであるなら復活させて今に伝え、未来に繋いでいけたら」と語る分部様。
「廃れてしまい記録も無いから仕方ない」とは諦めない精神に敬服するとともに、私たち含め若い方々が知らなかった趣ある風習を、復活させ見せて下さったことに感謝の気持ちが湧きました。

あと1週間くらいの展示ですが、皆さんお散歩がてら観に行ってみませんか?

平野 彩花